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キュビズム的アプローチで考えるコンサル会社の倒産

イントロ

最近、『経営のプロ「コンサル会社」の倒産が急増』というニュースがありました。要約すると2023年1月から10月までの間に、経営コンサルタント業界で116件の倒産が発生過去最多を更新する数値。主な原因は新型コロナウイルスに起因する販売不振という東京商工リサーチの調査内容を引用して紹介しています。これはこれで事実だと思います。ただ、暇つぶしを兼ねてこのニュースをキュビズム的アプローチで考えてみたいと思います。

ニュースに対する声

このニュースに対して、ネットを中心に「経営コンサルタントのコンサルタントが必要」や「経営コンサルタントなんて詐欺師」などというコメントをよく見かけます。そのほかにも、コメントには、大手家具企業を加速度的に消滅させた現コンサルタント会社の社長やビッグモーターやKAZU1を指導しているコンサルタント会社の名前や飲食店経営で破産経験済みの飲食コンサルタントなど、有名コンサルタントやコンサルタント会社の名前がちらほらとありました。

ここについては、私も曲がりなりとは雖もカテゴライズされてしまうため重く受け止めると同時に、個人の感情として同意できます。しかし、今回の倒産増加という問題は個人的に疑問を感じます。

経営コンサルタントのビジネスモデル

しかし、少し注目していただきたいこととして、経営コンサルタント業界の「実情」です。基本的にこの業界は良くも悪しくも効率的で、効果的なビジネスモデルとも評価できてしまいます。例えば、経営コンサルタントは価値があるか否かは棚上げして、主に知識と経験を提供することによって収益を生み出しています。補足的に示してみるとショーン・〇氏や竹〇貴〇氏を見てもらえれば説得力も増すと思います。収益の源泉は財務的には物理的な製品や高額な設備投資が不要なため、究極を言ってしまえば、経費は限りなく0に近づけて経営することができます。

倒産の現状に対する疑問

このように、経営コンサルタント業界はそもそも赤字を生み出すことが難しいビジネスモデルと言えます。それにも関わらず、倒産の件数が急増しているのはなぜでしょうか。私はこの点に疑問に感じました。確かに、経費0円を実現させたとて売上も0円では意味がありません。しかし、経費が0円であればわざわざ倒産させなくとも休眠させておけばいいだけです。倒産させるにはお金がかかりますが、休眠させるだけであれば0円でも可能です。仮にお金に困っている会社であれば、どちらを選択するのかは火を見るよりも明らかです。これが、冒頭で私が感じた疑問の正体であり、今回のブログの出発点です。

計画的倒産の可能性

個人的にこの倒産は計画的な倒産が多いのではないかと考えています。コロナ禍で流行ったゼロゼロ融資は多くの人が知っている前提で失礼いたします。仮この融資の据置期間が3年だったとします。そして、2020年にお金を借りていれば返済開始時期は2023年です。返済はじめるということは当たり前のことですが手元から現金がなくなることを意味しています。基本的に、誰しも手元から現金がなくなるという状態を好ましく思うことはないと思います。では、この状態を解消するためにはどうするべきなのか。答えは、返せない状態を作り上げればよいのです。その状態がなにを指すのかと言えば・・・倒産です

この流れであれば、倒産が過去最高という事実にもより説得力をもたらすことができます。

まとめ

今回はあくまでも一例として考えてみました。

マーク・トウェインが言ったとされる「数字は嘘をつかない」という言葉を借りるならば、数字は確かに客観的な情報を提供します。しかし、彼が続けて言った「噓つきは数字を使う」という部分も重要です。数字は事実を示しますが、それをどのように解釈し、理解するかは私たちに委ねられています。

真実を見抜く能力は、誰にも完璧には備わっていません。しかし、私たちは事実を多角的および多面的に捉え、深く理解しようと努力できます。このキュビズム的アプローチは、目に見えるものだけではなく、その背景にある真実に迫る手段となり得ます。今回のブログを通じて、皆さんがビジネスにおける洞察を深め、より複雑な現象を理解する一助となれば幸いです。

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